文法

三つの型。場を作り、動作をつなぎ、フィルターをかける。日本語の8割はこれだけ。

場を作る

わたし 昨日きのういつ いえどこ ほん んだ。動作

動作をつなぐ

いえかえって1 ほんんで2 た。3

フィルターをかける

読む んだ完了 まない否定 みます丁寧

ことかたち (文の構造)

ことところ
場を設定してから動作。[誰が] [いつ] [どこで] [何を] → [動詞]。動詞は常に最後。助詞が各語の役割を示す。映画のように、まず場面を作り、それから動く。

わたしほんむ。

わたしひとだ。

わないこと
既知の情報は省略する。主語・目的語など、文脈から分かるものは言わなくてよい。これが日本語の基本。

なにむ?」「みず。」

ある / いる
存在がそのまま所有を表す。「have」に当たる動詞は不要。生き物には「いる」、それ以外は「ある」を使う。

動物どうぶつがいる。

ほんがある。

わたしほんがある。

することかたち (動詞の活用)

よっつのかた
動詞に四つのフィルター: る(現在・未来)/ た(完了)/ ない(否定)/ なかった(過去否定)。写真のフィルターのように動詞はそのまま、周りを変える。すべてこの四つの上に構築する。

べる → べた → べない → べなかった

く → った → かない → かなかった

する → した → しない → しなかった

る → た → ない → なかった

てのかた
動作を実際の順に連結する。「to」「by」「with」は不要。動詞を順に並べるだけ。書いて読んで寝た。時制は文末のみ。活用: く→いて、む→んで、つ→って、る→て。

く → いて

む → んで

つ → って

べる → べて

いて んで た。

て + もっと
て形にさらに付け足す。依頼(+ください)、進行(+いる)、許可(+もいい)、禁止(+はいけない)。同じて形、違う語尾。

ってください。

いま んでいる。

すわってもいい?

はいってはいけない。

られる / える
可能を表す。一段動詞: る を取って られる を付ける。五段動詞: え段 + る。する → できる。

く → ける

る → られる

する → できる

ないでください
否定の依頼。動詞のない形 + で + ください。入らないでください = 入らないようにお願いする。

はいらないでください。

たないでください。

ますとです (丁寧形)

ます / です
よく知らない人と話す時はます形を使う。動詞の連用形 + ます。だ → です。常に規則的: ます / ました / ません / ませんでした。普通形より簡単 - 音便変化なし。

みずみます。

やまきました。

さかなべません。

このほんいです。

いつますを使つかうか
ます/です形は知らない人・店員・医師・先生・同僚に使う。普通形は親しい友人・家族に使う。ます形を使わないと幼稚・失礼に聞こえる。です はい形容詞にも付く: 寒い → 寒いです。だ → です(名詞・な形容詞)。

ところで: これをください。いくらですか。

きなひとに: これ、いくら?

さむいです。

ひとつにすること (助詞)

は (wa)
場を設定する:「〜については...」。文の枠の[誰]の位置を埋める。この文が何についてかを示す。

この ほんい。

わたしい。

が (ga)
動作の主体を示す。誰がそれをするか。新しい情報を表す。

だれる?

を (o)
文の枠の[何]の位置を埋める。動作の対象を示す。

みずむ。

に (ni)
文の枠の[いつ]と[どこ]の位置を埋める。行き先・時間・存在の場所を表す。

やまく。

よるる。

いえ動物どうぶつがいる。

で (de)
動作の場所・手段を表す。「に」は存在の場所、「で」は動作の場所。

いえむ。

く。

の (no)
名詞と名詞をつなぐ。動詞を名詞化する用法もある(第5章参照)。

わたしほん

やまうえ

と (to)
並列・共同・引用を表す。発言・思考・音・名前など、あらゆるものを引用できる。

みずほんった。

く」と った。

も (mo)
「〜も」で同様であることを示す。は・が・を の代わりに使う。

ちちほんむ。ははむ。

から / まで
起点(から)と終点(まで)を表す。「から」は理由も表せる。

いえから やままで く。

よるまで つ。

さむいから、いえにいる。

より
「Xより」で「Xよりも」の意味。この助詞一つであらゆる比較を表せる。

やまより おおきい。

みずより ものきだ。

どんな (修飾)

い のこと
動詞と同様に活用する。「寒い」だけで文が成立する。活用: くない・かった・くて。「だ」は不要。

さむい。

さむくない。

さむかった。

さむくて かなしい。

な のこと
名詞の前に「な」を付ける。否定は「じゃない」、過去は「だった」。

必要ひつようもの

必要ひつようじゃない。

必要ひつようだった。

必要ひつようい。

〜くなる / 〜になる
状態の変化を表す。あらゆる変化をこの一つの型で表現できる。

あつい → あつくなる。

必要ひつよう必要ひつようになる。

すること + もの
動詞や文を名詞の前に置いて修飾する。語彙を作り出す力の源。

やまうご子供こども

わたしった もの

ものにする (名詞化)

くだけた名詞化。「食べるのが好き」。疑問文にも使う:「何しているの?」

べるのが きだ。

なにしているの?

こと
動作を抽象的な概念にする。「走ること」は走るという考え。「飲むもの」は物理的な物。「こと」は抽象、「もの」は具体。

うごくことはい。

くことができる。

必要ひつようなことをう。

もの
触れたり指せたりする物理的なもの。「飲むもの」= 飲める何か。「こと」は抽象的な概念、「もの」は具体的な物。

むもの。

むもの。

必要ひつようなものをっている。

かた
やり方を表す。動詞の連用形に付ける。食べ方 = 食べる方法。使い方 = 使う方法。こと(概念)+ もの(物)+ 方(方法)で何でも表現できる。

かたおしえてください。

このこと使つかかたりたい。

かた必要ひつようだ。

おもうと「もし」 (意志と条件)

たい / しい
動作の希望(動詞の連用形 + たい)。物の希望(欲しい)。

きたい。

あたらしい いえしい。

たら / なら / ければ
たら = もしその事態が起こったら(動詞のた形 + ら)。なら = もしそうであるなら。ければ = い形容詞の条件形(い → ければ)。

あめたら、かない。

ときがあるなら、てください。

さむければ、いえにいる。

おもう / と
「と」で何でも引用できる。思考・発言・音。「という」は「〜と呼ばれる」の意味。

いと おもう。

く」と った。

おおきいやまという ところ

ために
目的と受益者を表す。動詞+ために、または名詞+のために。

るために む。

子供こどものために。

う / よう / ましょう
一緒にすることを提案する。行こう / 行きましょう = 一緒に行く。食べよう / 食べましょう = 一緒に食べる。動詞の連用形 + ましょう(丁寧)。

べましょう。

ふたりできましょう。

なくてはいけない / なきゃ
義務を表す。動詞のない形 → なくてはいけない(しなければならない)。話し言葉では「なきゃ」だけで十分。行かなきゃ = 行かなければならない。

みずまなきゃ。

まいにちあるかなくてはいけない。

ほうがいい
助言を表す。動詞のた形 + ほうがいい = した方がよい。動詞のない形 + ほうがいい = しない方がよい。

みずんだほうがいい。

かないほうがいい。

かた (疑問と終助詞)

か / ね / よ
疑問(か)/ 同意の確認(ね)/ 主張(よ)。くだけた会話では「か」を省略して語尾を上げるだけのことも多い。

これは みずか?

にちだね。

くよ。

なにだれ・どこ・いつ・なぜ + も/でも
疑問詞は答えの位置に置く。+も(否定)= 何もない・誰もいない。+でも = 何でも・誰でも。疑問詞5つ + 助詞2つ = 20語の代名詞が作れる。

なにべる?→ なにべない。

なんでも つくれる。

だれもいない。

だれでもできる。

いくつ (数と数え方)

つ (いくつ)
物を数える時に「つ」を使う。読みがすべて変わる: 1=ひとつ 2=ふたつ 3=みっつ 4=よっつ 5=いつつ 6=むっつ 7=ななつ 8=やっつ 9=ここのつ。10=とお(つ なし!)。10より上は数字のみ。何にでも使える万能助数詞。

たまごみっつください。

さかなふたつとたまごいつつください。

たまごやっった。

たまごとおある。全部ぜんぶべた。

いくつのつくかた
数字を十・百の前に置く。二十 = 20。三百 = 300。連結: 三百五十二 = 352。パターン: [数字]百[数字]十[数字]。百の前で音変化: 300=さんびゃく、600=ろっぴゃく、800=はっぴゃく。コツ: まず値段から覚える。買い物のたびに数字が聞こえる。

じゅうにんひとた。

これはさんびゃくじゅうです。

いくつのかた
読みが常に同じ8つ: いち(1) に(2) さん(3) ご(5) ろく(6) はち(8) じゅう(10) ひゃく(100)。二通りの読みがある3つだけ: し/よん(4) しち/なな(7) く/きゅう(9)。迷ったらよん・なな・きゅうを使う。日常会話ではこちらが一般的。し は死と紛らわしいのでよんが無難。

がつあめる。う。

しちがつあつい。ななつのやまえる。

がつからさむくなる。きゅうる。

これはさんびゃく。それはろっぴゃく。あれははっぴゃく