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231の基本語から作られた俳句・対話・短編。

話はなし (対話)

毎まい日にちの話はなし (日常の対話)

買かう所ところで (店で)

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A: すみません。この食たべ物ものは何なにですか。

B: これは良よい食たべ物ものです。水みずと草くさで作つくりました。

A: これをください。他ほかの物ものもありますか。

B: はい。そこに新あたらしい物ものがあります。

A: それも見みてもいいですか。

B: はい。手てで持もってください。

A: これを買かいます。ありがとう。

B: ありがとう。また来きてください。

A: すみません。この食べ物は何ですか。

B: これはおいしい食べ物です。水と野菜で作りました。

A: これをください。他の物もありますか。

B: はい。あちらに新しい品物があります。

A: それも見てもいいですか。

B: はい。手に取ってご覧ください。

A: これを買います。ありがとうございます。

B: ありがとうございます。またお越しください。

道みちで人ひとと会あう (道で友人に会う)

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A: あ!どこに行いきますか?

B: 今いまは海うみに行いきます。あなたは?

A: 私わたしは家いえに行いく。体からだが少すこし悪わるいです。

B: 体からだが悪わるいですか?水みずを飲のんで、寝ねてください。

A: ありがとう。海うみの風かぜはとても良よいね。

B: そうですね。でも今いまは風かぜが強つよいです。

A: 体からだを守まもってください。また会あいましょう!

B: はい、また会あいましょう!

A: あ!どこに行くんですか。

B: 今から海に行くところです。あなたは?

A: 私は家に帰ります。体の調子が少し悪いんです。

B: 体調が悪いんですか?水を飲んで、休んでください。

A: ありがとうございます。海の空気はとても気持ちいいですよね。

B: そうですね。でも今日は風が強いです。

A: お気をつけて。また会いましょう!

B: はい、また会いましょう!

家いえの夜よるの食たべ物もの (家族の夕食)

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母はは: 座すわってください。食たべ物ものができた。

子供こども: 今いまは何なにを食たべる?

母はは: 草くさと水みずで作つくった。体からだに良よい。

父ちち: とても良よい物ものだね。今いままで体からだがとても重おもかった。

子供こども: 父ちち、今いまの日にちは楽たのしかったか。

父ちち: まあまあだった。でも家いえに来くることがもっと好すきだ。

母はは: この物ものを全部ぜんぶ食たべてください。

子供こども: はい!とても良よい。ありがとう、母はは。

母: 座ってください。ご飯ができましたよ。

子供: 今日は何を食べるの?

母: 野菜と水で作りました。体にいいですよ。

父: とてもおいしそうですね。最近ずっと体が重かったんです。

子供: お父さん、今日は楽しかった?

父: まあまあだったよ。でも家に帰るのが一番好きだ。

母: これを全部食べてくださいね。

子供: うん!とてもおいしい。ありがとう、お母さん。

道みちを聞きく (道を尋ねる)

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A: すみません。大おおきい大おおきい家いえはどこですか。

B: ここから近ちかくないです。

A: どう行いったらいいですか。

B: この道みちを行いってください。大おおきい木きの前まえで右みぎに入はいってください。

A: 木きの前まえで右みぎだね。その後あとは?

B: 大おおきい家いえを見みることができます。それです。

A: 歩あるいて行いけますか。

B: はい、歩あるいて行いけます。近ちかくないです。でも良よい道みちです。

A: ありがとう!

A: すみません。大きい建物はどこですか。

B: ここからは近くないですよ。

A: どう行ったらいいですか。

B: この道をまっすぐ行ってください。大きな木のところで右に曲がってください。

A: 木のところで右ですね。その後は?

B: 建物が見えます。それです。

A: 歩いて行けますか。

B: はい、歩いて行けます。近くはないですが、いい道ですよ。

A: ありがとうございます!

日にちの始はじまり (朝の日課)

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母はは: もう立たってください!日にちが出でている。

子供こども: まだ目めが重おもい。もう少すこし寝ねたい。

母はは: いけない。速はやく服ふくを着きてください。

子供こども: はい。でも今いまは空そらが明あかるくない。雨あめが来くるか。

母はは: そうだね。外そとは少すこし寒さむいから、良よい服ふくを着きてください。

子供こども: 今いまは何なにを食たべる?

母はは: 水みずと食たべ物ものがある。全部ぜんぶ食たべてください。

子供こども: はい、母はは。今いまの日にちも楽たのしいと思おもう!

母: もう起きなさい!日が出ていますよ。

子供: まだ眠いよ。もう少し寝たい。

母: だめです。早く服を着なさい。

子供: はい。でも今日は空が暗いね。雨が降るかな。

母: そうね。外は少し寒いから、暖かい服を着てね。

子供: 今朝は何を食べるの?

母: お水とご飯があるよ。全部食べてね。

子供: はい、お母さん。今日も楽しい日になると思う!

体からだと助たすける (健康と緊急)

体からだが悪わるい時とき (医者で)

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私わたし: すみません。体からだが悪わるいです。

体からだを助たすける人ひと: どこが悪わるいですか。

私わたし: 頭あたまが悪わるい感かんじです。体からだも暑あついです。

体からだを助たすける人ひと: いつから悪わるいですか。

私わたし: 前まえの日にちからです。夜よるも寝ねられませんでした。

体からだを助たすける人ひと: 口くちを開あけてください。体からだを見みます。

体からだを助たすける人ひと: 体からだを良よくする物ものを飲のんでください。よく寝ねてください。

体からだを助たすける人ひと: 三みっつの日にちの後あとに良よくならないなら、また来きてください。

私わたし: 分わかりました。ありがとう。

患者: すみません。体の調子が悪いです。

医者: どこが悪いですか。

患者: 頭が痛いです。体も熱いです。

医者: いつからですか。

患者: 昨日からです。夜も眠れませんでした。

医者: 口を開けてください。体を診ます。

医者: 薬を飲んでください。よく寝てください。

医者: 三日後に良くならなかったら、また来てください。

患者: 分かりました。ありがとうございます。

体からだを良よくする物ものを買かう (薬を買う)

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私わたし: すみません。体からだを良よくする物ものが欲ほしいです。

買かう所ところの人ひと: どこが悪わるいですか。

私わたし: 腹はらが悪わるい感かんじです。食たべた後あとに悪わるくなります。

買かう所ところの人ひと: 食たべ物もので体からだが悪わるくなる事ことはありますか。

私わたし: いいえ、ないです。

買かう所ところの人ひと: これが良よいと思おもいます。毎まい日にち、食たべた後あとに一ひとつ飲のんでください。

私わたし: 分わかりました。いくらですか。

買かう所ところの人ひと: 五ご百ひゃくです。良よくならないなら、体からだを助たすける人ひとに会あってください。

客: すみません。薬が欲しいのですが。

店員: どこが悪いですか。

客: お腹が痛いです。食べた後に痛くなります。

店員: 食べ物でアレルギーが出ることはありますか。

客: いいえ、ありません。

店員: これが良いと思います。毎日、食後に一つ飲んでください。

客: 分かりました。いくらですか。

店員: 五百円です。良くならなければ、医者に行ってください。

助たすけてください (助けてください)

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A: すみません!助たすけてください!

B: どうしましたか。

A: あの人ひとが下したに行いきました。足あしが悪わるいと思おもいます。動うごけません。

B: どこですか。

A: あの大おおきい家いえの前まえです。道みちの上うえにいます。

B: 分わかりました。助たすける人ひとに言いいます。待まってください。

A: ありがとう。あの人ひとの近ちかくにいてください。

B: はい。水みずをあげましょう。体からだを動うごかさないでください。

A: すみません!助けてください!

B: どうしましたか。

A: あの人が倒れました。足を怪我したと思います。動けません。

B: どこですか。

A: あの大きい建物の前です。道の上にいます。

B: 分かりました。救急を呼びます。待ってください。

A: ありがとうございます。あの人のそばにいてください。

B: はい。水をあげましょう。体を動かさないでください。

所ところで話はなす (場所での対話)

人ひとが来くる物ものを待まつ所ところで (駅で)

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A: すみません。ここから海うみの人ひとが来くる物ものを待まつ所ところまで行いきたいです。

所ところの人ひと: 二に百ひゃく円えんです。

A: 一ひとつください。何なにつ目めの所ところから出でますか。

所ところの人ひと: 三みっつ目めです。上うえに行いってください。

A: いつ来きますか。

所ところの人ひと: 十じゅう五ごの後あとです。

A: 海うみの所ところまでどのくらいですか。

所ところの人ひと: 二に十じゅうぐらいです。三みっつ目めの所ところで出でてください。

A: すみません。ここから海の駅まで行きたいです。

駅員: 二百円です。

A: 一枚ください。何番線から出ますか。

駅員: 三番線です。上に行ってください。

A: いつ来ますか。

駅員: 十五分後です。

A: 海の駅までどのくらいですか。

駅員: 二十分くらいです。三つ目の駅で降りてください。

食たべる所ところで (食べる所で)

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買かう所ところの人ひと: 何なん人にんですか。

A: 二ふたりの人ひとです。

買かう所ところの人ひと: どうぞ、こちらに座すわってください。

A: すみません。この食たべ物ものの中なかに何なにがありますか。

買かう所ところの人ひと: 草くさと肉にくです。体からだが悪わるくなる食たべ物ものはありますか。

A: はい。卵たまごで体からだが悪わるくなります。

買かう所ところの人ひと: 分わかりました。この食たべ物ものには卵たまごは入はいっていません。

A: では、これをください。

A: すみません。お金かねを全部ぜんぶください。

店員: 何名様ですか。

A: 二人です。

店員: どうぞ、こちらにお座りください。

A: すみません。この料理の中に何が入っていますか。

店員: 野菜とお肉です。アレルギーはありますか。

A: はい。卵でアレルギーが出ます。

店員: 分かりました。この料理には卵は入っていません。

A: では、これをください。

A: すみません。お会計をお願いします。

買かう所ところで (コンビニで)

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買かう所ところの人ひと: 来きてくれてありがとう。

A: すみません。この食たべ物ものを暑あつくしてください。

買かう所ところの人ひと: はい。少すこし待まってください。入いれる物ものは必要ひつようですか。

A: はい、ください。

買かう所ところの人ひと: 他ほかに欲ほしい物ものはありますか。

A: この飲のみ物ものもください。

買かう所ところの人ひと: 全部ぜんぶで三さん百びゃく五ご十じゅうです。

A: お金かねの小ちいさい物もので良よいですか。

買かう所ところの人ひと: はい。ありがとう。

店員: いらっしゃいませ。

A: すみません。これを温めてください。

店員: はい。少々お待ちください。袋は必要ですか。

A: はい、お願いします。

店員: 他に欲しい物はありますか。

A: この飲み物もください。

店員: 全部で三百五十円です。

A: カードで大丈夫ですか。

店員: はい。ありがとうございます。

音おとで言いう物もので人ひとに言いう (電話で予約する)

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A: もしもし。体からだを助たすける所ところですか。

体からだを助たすける所ところの人ひと: はい。何なにのためですか。

A: 体からだを助たすける人ひとに会あいたいです。いつが良よいですか。

体からだを助たすける所ところの人ひと: 後あとの日にちの十じゅうの時ときはどうですか。

A: 良よいです。私わたしの名前なまえはたなかです。

体からだを助たすける所ところの人ひと: たなかさんですね。後あとの日にちの十じゅうの時ときです。待まっています。

A: もしもし。病院ですか。

受付: はい。どうされましたか。

A: 医者に会いたいです。いつが良いですか。

受付: 明日の十時はどうですか。

A: 大丈夫です。私の名前は田中です。

受付: 田中さんですね。明日の十時です。お待ちしています。

来きた事ことを書かく所ところをする所ところで (届け出をする所で)

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A: すみません。ここに来きた事ことを書かきたいです。

所ところの人ひと: 分わかりました。あなたが誰だれかを見みせる物ものが必要ひつようです。

所ところの人ひと: 他ほかの国くにの人ひとなら、国くにに行いく本ほんも必要ひつようです。

A: はい。これです。どうぞ。

所ところの人ひと: ありがとう。この書かく物ものに名前なまえと家いえの所ところを書かいてください。

A: 書かき方かたが分わかりません。教おしえてもらえますか。

所ところの人ひと: はい。ここに名前なまえ。ここに家いえの所ところを書かいてください。

A: ありがとう。どこに出だしますか。

所ところの人ひと: 二ふたつ目めの所ところに持もって行いってください。

A: すみません。住所の届け出をしたいです。

職員: 分かりました。身分証が必要です。

職員: 外国の方なら、パスポートも必要です。

A: はい。これです。どうぞ。

職員: ありがとうございます。この用紙に名前と住所を書いてください。

A: 書き方が分かりません。教えてもらえますか。

職員: はい。ここに名前、ここに住所を書いてください。

A: ありがとうございます。どこに出しますか。

職員: 二番の窓口に持って行ってください。

人ひとと人ひと (人付き合い)

私わたしの事ことを言いう (自己紹介)

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A: こんにちは。ここに新あたらしく来きました。私わたしはたなかです。

B: こんにちは。私わたしはやまもとです。家いえが近ちかい人ひとです。

A: よろしくください。私わたしは他ほかの国くにから来きました。

B: そうですか。この国くにの言葉ことばがとても良よいですね。

A: ありがとう。まだ少すこしだけです。

B: 何なにか分わからない事ことがあったら、言いってください。

A: ありがとう。とても助たすかります。

A: こんにちは。ここに引っ越してきました。田中です。

B: こんにちは。山本です。お隣の者です。

A: よろしくお願いします。外国から来ました。

B: そうですか。日本語がとてもお上手ですね。

A: ありがとうございます。まだ少しだけです。

B: 何か分からないことがあったら、言ってください。

A: ありがとうございます。とても助かります。

もう一ひとつ言いってください (もう一度お願いします)

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A: すみません。今いまの言葉ことばが分わかりませんでした。

B: すみません。もう一ひとつ言いいましょうか。

A: はい。速はやく言いわないでください。

B: この道みちを行いって、大おおきい木きの前まえで右みぎです。

A: 道みちを行いって……右みぎ。すみません、書かいてもらえますか。

B: はい。ここに書かきます。これで分わかりますか。

A: はい!書かいた物ものは分わかります。ありがとう。

A: すみません。今の言葉が分かりませんでした。

B: すみません。もう一度言いましょうか。

A: はい。もう少しゆっくり言ってください。

B: この道を行って、大きい木の前で右です。

A: 道を行って……右。すみません、書いてもらえますか。

B: はい。ここに書きます。これで分かりますか。

A: はい!書いてあれば分かります。ありがとうございます。

家いえが近ちかい人ひと (隣の人)

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A: すみません。この物ものは今いまの日にちに外そとに出だしてもいいですか。

B: いいえ。今いまの日にちは違ちがいます。

A: そうですか。いつが良よいですか。

B: この物ものは月つきの日にちとお金かねの日にちに出だします。

A: 書かく物ものはいつですか。

B: 書かく物ものは水みずの日にちです。日にちの中なかの前まえに出だしてください。

A: 分わかりました。ありがとう。

B: 分わからない事ことがあったら、聞きいてください。

A: すみません。このゴミは今日出してもいいですか。

B: いいえ。今日は違います。

A: そうですか。いつが良いですか。

B: これは月曜日と金曜日に出します。

A: 紙はいつですか。

B: 紙は水曜日です。朝に出してください。

A: 分かりました。ありがとうございます。

B: 分からないことがあったら、聞いてください。

空そらの事ことの話はなし (天気の話)

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A: 今いまの日にちは空そらがとてもきれいですね。

B: そうですね。太陽たいようが出でていて、風かぜも良よいです。

A: でも後あとから雨あめが来くると聞ききました。

B: 本当ほんとうですか。雨あめの物ものを持もった方ほうがいいですね。

A: 今いまの日にちは何なにをしますか。

B: 雨あめの前まえに外そとを歩あるきたいです。

A: 良よいですね。良よい日にちにしましょう。

A: 今日は空がとてもきれいですね。

B: そうですね。太陽が出ていて、風も気持ちいいです。

A: でも後から雨が降ると聞きました。

B: 本当ですか。傘を持った方がいいですね。

A: 今日は何をしますか。

B: 雨の前に外を歩きたいです。

A: いいですね。良い一日にしましょう。

考かんがえる話はなし (思索の対話)

生いきるとは何なにか (生きるとは何か)

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A: 石いしは動うごかない。草くさは動うごく。何なにが生いき物ものを生いきている物ものにする?

B: 動うごくだけじゃない。水みずも動うごく。火ひも動うごく。でもそれは生いきていない。

A: じゃあ何なにだ?生いき物ものには何なにがあって石いしにはない?

B: 生いきる風かぜだ。全部ぜんぶを作つくった人ひとが生いき物ものに生いきる風かぜを与あたえた。

A: 生いきる風かぜ?私わたしたちが飲のむ風かぜと同おなじ?

B: でも違ちがう風かぜだ。それがないと体からだは土つちと水みずだけだ。

A: 全部ぜんぶの生いき物ものに生いきる風かぜがある。でも人ひとは他ほかの生いき物ものと違ちがう?

B: そう。全部ぜんぶを作つくった人ひとは人ひとをその人ひとに近ちかく作つくった。だから人ひとは全部ぜんぶの生いき物ものの中なかで一いち番ばん大おおきい。

A: 石は動かない。草は動く。何が生き物を生かしているんだろう?

B: 動くだけではない。水も動く。火も動く。でもそれは生きていない。

A: では何だろう?生き物には何があって石にはないのか?

B: 命の息だ。すべてを造った方が生き物に命の息を与えた。

A: 命の息?私たちが吸う空気と同じ?

B: しかし特別な息だ。それがなければ体はただの土と水にすぎない。

A: すべての生き物に命の息がある。しかし人間は他の生き物と違うのか?

B: そう。すべてを造った方は人間を御自身に近く造った。だから人間はすべての生き物の中でもっとも尊い。

夜よるの光ひかり (夜の光)

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A: 夜よるの空そらの光ひかりは何なんだと思おもう?

B: あの光ひかりは全部ぜんぶの始はじまりの時ときに空そらに与あたえられた。

A: 始はじまりの時ときに?人ひとより前まえに?

B: そう。全部ぜんぶを作つくった人ひとが空そらと土つちを作つくった後あとに空そらに光ひかりを与あたえた。

A: じゃああの光ひかりは光ひかりだけじゃない?

B: 見み守まもる物ものだ。空そらに与あたえられた使つかいだ。上うえから私わたしたちを見み守まもっている。

A: 上うえからの使つかい?始はじまりの時ときからそこにいる?

B: そう。土つちと海うみが作つくられた時ときから変かわっていない。

A: だから毎まい夜よる変かわらない光ひかりがある。いつも上うえから見み守まもっている。

A: 夜空の光は何だと思う?

B: あの光はすべての始まりの時に空に置かれたものだ。

A: 始まりの時に?人よりも前に?

B: そう。すべてを造った方が天と地を造った後に空に光を置いた。

A: ではあの光はただの光ではないのか?

B: 見守る者だ。天に遣わされた使いだ。上から私たちを見守っている。

A: 天からの使い?始まりの時からそこにいるのか?

B: そう。大地と海が造られた時から変わっていない。

A: だから毎晩変わらない光がある。いつも上から見守っている。

なぜ人ひとは戦たたかうの? (なぜ人は戦うのか)

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子供こども: 父ちちさん、なぜ人ひとは戦たたかうの?戦たたかうと悲かなしいことが起おこるのに。

父ちち: そうだね。人ひとは怖こわい時ときに好すきな物ものを守まもりたくなる。

子供こども: でも戦たたかって守まもれるの?戦たたかうともっと悲かなしいことが起おこる。

父ちち: 本当ほんとうにそうだ。全部ぜんぶの中なかで一ひとつだけ強つよい守まもり方かたは好すきでいることだ。私わたしを好すきなように他ほかの人ひとも好すきでいること。

子供こども: でも悪わるい事ことをする人ひとは?戦たたかいに来くる人ひとは?

父ちち: その人ひとたちもだ。私わたしに悪わるい事ことをする人ひとも好すきでいる。それが人ひとにできる全部ぜんぶの中なかで一ひとつだけ強つよい事ことだ。

子供こども: 私わたしに悪わるい事ことをする人ひとを好すきでいるの?それはとてもできにくいと思おもう。

父ちち: できにくい。でも全部ぜんぶを作つくった人ひとがそう言いった。私わたしを好すきなように他ほかの人ひとを好すきでいなさい。悪わるい事ことをする人ひとも。

子供: お父さん、なぜ人は戦うの?戦うと悲しいことが起こるのに。

父: そうだね。人は怖い時に大切なものを守りたくなる。

子供: でも戦って守れるの?戦うともっと悲しいことが起こる。

父: 本当にそうだ。最も強い守り方は愛することだ。自分を愛するように他の人も愛すること。

子供: でも悪いことをする人は?攻めてくる人は?

父: その人たちもだ。自分に敵対する人をも愛する。それが人にできる最も強いことだ。

子供: 自分に敵対する人を愛するの?それはとても難しいと思う。

父: 難しい。でもすべてを造った方がそう言われた。自分を愛するように隣人を愛しなさい。敵をも。

人ひとだけが持もつ物もの (人だけが持つもの)

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A: 動物どうぶつも食たべて、飲のんで、子供こどもを守まもる。人ひとと本当ほんとうに違ちがう?

B: 人ひとは書かく。会あったことのない人ひとに言葉ことばを与あたえる。死しんだ後あとも。

A: それは大おおきい。動物どうぶつは今いまに生いきる。人ひとは前まえと後あとに生いきる。

B: 人ひとは動うごく物ものも作つくる。手てでできないことを動うごく物ものでできるようにする。

A: でも石いしを使つかう動物どうぶつもいる。人ひとだけが物ものを使つかうのではない。

B: 物ものを使つかうことと、物ものについて考かんがえることは違ちがう。人ひとは見みえない事ことを考かんがえる。

A: 見みえない事こと? どんな事こと?

B: 「なぜ生いきるのか」。動物どうぶつはこれを聞きかない。人ひとだけが聞きく。それが良よいことか悪わるいことかは、まだ知しらない。

A: 動物も食べて、飲んで、子供を守る。人間と本当に違うのか?

B: 人は書く。会ったことのない人に言葉を届ける。死んだ後も。

A: それは大きな違いだ。動物は今を生きる。人は過去と未来を生きる。

B: 人は機械も作る。手ではできないことを機械で可能にする。

A: でも石を使う動物もいる。人だけが道具を使うわけではない。

B: 道具を使うことと、道具について考えることは違う。人は目に見えないことを考える。

A: 見えないこと? どんなこと?

B: 「なぜ生きるのか」。動物はこの問いを持たない。人だけが問う。それが良いことか悪いことかは、まだ分からない。

時ときについて (時について)

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A: この所ところに来きて、多おおい年としが終おわった。あの木きは前まえに小ちいさかった。

B: 木きは変かわった。でも山やまは変かわっていない。時ときは物ものによって違ちがう。

A: 私わたしたちも変かわった。体からだが変かわった。でも……心こころの中なかはどうだろう。

B: 子供こどもの時ときに感かんじた事ことは、まだ心こころの中なかにある。変かわっていない。

A: 時ときは前まえに動うごくだけ? 前まえに行いくことはできない?

B: 体からだは前まえに行いけない。でも心こころは行いける。本ほんの中なかで、目めを閉しめた中なかで。

A: それなら時ときは二ふたつある。体からだの時ときと、心こころの時ときと。

B: そして私わたしたちが死しんだ後あとも、あなたと私わたしが感かんじた事ことは他ほかの人ひとの心こころの中なかで生いきるかもしれない。

A: この場所に来てから、何年も過ぎた。あの木は昔は小さかった。

B: 木は変わった。でも山は変わっていない。時の流れはものによって違う。

A: 私たちも変わった。体が変わった。でも……心の中はどうだろう。

B: 子供の頃に感じたことは、まだ心の中にある。変わっていない。

A: 時間は前に進むだけ? 過去に戻ることはできない?

B: 体は戻れない。でも心は戻れる。本の中で、目を閉じた時に。

A: それなら時間は二つある。体の時間と、心の時間と。

B: そして私たちが死んだ後も、あなたと私が感じたことは他の人の心の中で生き続けるかもしれない。

知しること (知ること)

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A: 教おしえる人ひと、本ほんを読よんだら、その事ことを知しっていると言いえるか。

B: 本ほんの言葉ことばは知しることができる。でも、本当ほんとうに知しることは違ちがう。

A: どう違ちがうか。

B: 手てで作つくったり、体からだで感かんじたりしたとき、本当ほんとうに知しる事ことが始はじまる。

A: では、私わたしはまだ知しらないのか。

B: 知しりたいと思おもっているなら、もう始はじまっている。それで良よいと思おもう。

A: 知しることは終おわるか。

B: 良よい教おしえる人ひとも、まだ知しらない事ことがとても多おおいと感かんじている。

A: 先生、本を読んだら、そのことを知っていると言えますか。

B: 本の言葉は知ることができます。でも、本当に知るということは違います。

A: どう違いますか。

B: 手で作ったり、体で感じたりした時、本当に知ることが始まります。

A: では、私はまだ知らないのですか。

B: 知りたいと思っているなら、もう始まっています。それで十分だと思います。

A: 知ることに終わりはありますか。

B: 良い先生でも、まだ知らないことがとても多いと感じています。

海うみの外そと (海の向こう)

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A: この海うみはとても大おおきいね。外そとに何なにがあるか。

B: 他ほかの国くにがある。でも目めでは見みえない。

A: その国くにの人ひとたちも、この水みずを見みていると思おもうか。

B: はい、全部ぜんぶ一ひとつの水みずだ。海うみは一ひとつだと思おもう。

A: 水みずの中なかに何なにがいるか。

B: 動物どうぶつが多おおくいる。私わたしたちが知しらない動物どうぶつも、まだいると思おもう。

A: 海うみは怖こわいか。

B: 怖こわい。でも海うみの音おとを聞きくと、心こころが良よくなる。

A: 私わたしもそう感かんじる。大おおきい物ものの前まえに立たつと、心こころが小ちいさくなる。

A: この海はとても大きいですね。向こうに何がありますか。

B: 他の国があります。でも目では見えません。

A: その国の人たちも、この海を見ていると思いますか。

B: はい、すべて一つの海です。海はつながっていると思います。

A: 海の中に何がいますか。

B: たくさんの生き物がいます。私たちがまだ知らない生き物もいると思います。

A: 海は怖いですか。

B: 怖いです。でも波の音を聞くと、心が穏やかになります。

A: 私もそう感じます。大きなものの前に立つと、自分が小さく感じられます。

新あたらしいものと前まえのもの (新しいものと古いもの)

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A: この国くにはとても変かわったね。前まえは違ちがった。

B: はい。新あたらしい大おおきい家いえが多おおくなった。前まえからある家いえは少すくなくなった。

A: 前まえからある道みちも変かわった。前まえは木きが多おおかった。

B: 新あたらしいものは良よいか、悪わるいか。

A: 新あたらしい動うごく物もので、人ひとがする事ことが速はやくなった。でも前まえにしていた事ことを知しっている人ひとが少すくなくなっている。

B: 言葉ことばも変かわる。前まえの人ひとたちの言葉ことばは今いまもあるか。

A: 本ほんの中なかにある。でも使つかう人ひとは少すこしだけだ。

B: 変かわらない事ことはあるか。

A: 山やまと海うみはまだ変かわらない。太陽たいようも毎まい日にち出でる。

A: この国はとても変わりましたね。昔とは違います。

B: はい。新しい建物が増えました。昔からある家は少なくなりました。

A: 昔からある道も変わりました。以前は木が多かったです。

B: 新しいものは良いですか、悪いですか。

A: 新しい機械のおかげで、物事が速くなりました。でも昔のやり方を知っている人が少なくなっています。

B: 言葉も変わります。昔の人たちの言葉は今も残っていますか。

A: 本の中にあります。でも使う人はごくわずかです。

B: 変わらないものはありますか。

A: 山と海はまだ変わりません。太陽も毎日昇ります。

音おとと心こころ (音楽と心)

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A: あの人ひとが作つくった音おとを聞きくと、悲かなしくなる。なぜか。

B: 私わたしもそう感かんじる。その音おとは何なにかを感かんじさせる。

A: 言葉ことばは使つかっていない。でも心こころに入はいる。

B: 言葉ことばより前まえに、体からだが感かんじると思おもう。雨あめの音おとや風かぜの音おとも、心こころを動うごかす。

A: では、人ひとが作つくる音おとと山やまや海うみの音おとは違ちがうか。

B: 違ちがうと思おもう。人ひとが作つくる音おとの中なかには、その人ひとの心こころがある。

A: 悲かなしい音おとを聞きいて、なぜ楽たのしいと感かんじるか。変へんだね。

B: 悲かなしさを感かんじていい、と思おもえるからかもしれない。一ひとりじゃないと感かんじる。

A: その音おとを作つくった人ひとも、その悲かなしさを知しっていたのだね。

A: あの人が作った音楽を聞くと、悲しくなります。なぜでしょうか。

B: 私もそう感じます。その音は何かを呼び起こします。

A: 言葉は使っていません。でも心に届きます。

B: 言葉より先に、体が感じるのだと思います。雨の音や風の音も、心を動かします。

A: では、人が作る音と自然の音は違いますか。

B: 違うと思います。人が作る音の中には、その人の心が込められています。

A: 悲しい音楽を聞いて、なぜ心地よいと感じるのでしょう。不思議ですね。

B: 悲しさを感じてもいいのだ、と思えるからかもしれません。一人じゃないと感じられるのです。

A: その音楽を作った人も、同じ悲しみを知っていたのですね。

長ながくない話はなし (短編)

犬いぬと私わたし (犬と私)

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私わたしの家いえに犬いぬがいる。

名前なまえはクロ。色いろが黒くろいからだ。

毎まい日にち、私わたしとクロは外そとに行いく。

クロは速はやく走はしる。私わたしは歩あるく。でも同おなじ道みちを行いく。

クロは鳥とりが好すきだ。

鳥とりを見みたら、走はしって行いく。でも鳥とりは飛とんで行いく。

クロは悲かなしい目めで私わたしを見みる。

私わたしは笑わらって言いう。「大丈夫だいじょうぶ。鳥とりは多おおい。」

夜よる、クロは私わたしの足あしの近ちかくで寝ねる。

クロがいるから、私わたしの心こころはいつも明あかるい。

私の家に犬がいる。名前はクロ。色が黒いからだ。毎日、私とクロは外に行く。クロは速く走る。私は歩く。でも同じ道を行く。クロは鳥が好きだ。鳥を見たら、走って行く。でも鳥は飛んで行ってしまう。クロは悲しい目で私を見る。私は笑って言う。「大丈夫。鳥はたくさんいるよ。」夜、クロは私の足元で眠る。クロがいるから、私の心はいつも明るい。

雨あめの日にち (雨の日)

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今日きょうは雨あめの日にちだ。

空そらは黒くろい。外そとは寒さむい。

私わたしは家いえの中なかにいる。

雨あめの音おとを聞きく。良よい音おとだ。

本ほんを読よむ。水みずを飲のむ。

犬いぬは私わたしの近ちかくで寝ねている。

母ははが食たべ物ものを作つくっている。

家いえの中なかは明あかるい。

雨あめの日にちは外そとに行いけない。でも悪わるくない。

家いえの中なかにも、良よい事ことが多おおい。

今日は雨の日だ。空は暗い。外は寒い。私は家の中にいる。雨の音を聞く。いい音だ。本を読む。水を飲む。犬は私のそばで眠っている。母がご飯を作っている。家の中は明るい。雨の日は外に出られない。でも悪くない。家の中にも、いいことがたくさんある。

新あたらしい服ふく (新しい服)

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私わたしの服ふくはもう良よくない。

新あたらしい服ふくが欲ほしい。

買かう所ところに行いった。

服ふくが多おおくあった。青あおい服ふくと黒くろい服ふくが良よかった。

「すみません。この青あおい服ふくはいくらですか。」

「三千さんぜん円えんです。」

少すこし高たかい。

「その黒くろい服ふくはいくらですか。」

「千せん円えんです。」

私わたしは黒くろい服ふくを選えらんだ。

千せん円えんを与あたえて、家いえに来きた。

新あたらしい服ふくを着きた。

心こころも新あたらしくなった。

私の服はもう古い。新しい服が欲しい。店に行った。服がたくさんあった。青い服と黒い服が良かった。「すみません。この青い服はいくらですか。」「三千円です。」少し高い。「その黒い服はいくらですか。」「千円です。」私は黒い服を選んだ。千円を払って、家に帰った。新しい服を着た。気持ちも新しくなった。

犬いぬと鳥とり (犬と鳥)

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私わたしの犬いぬは毎まい日にち外そとを歩あるく。

今いま日にちも道みちを歩あるいていた。

空そらに白しろい雲くもがあった。

その雲くもの下したで、鳥とりが飛とんでいた。

犬いぬは上うえを見みて、動うごかなくなった。

犬いぬは飛とびたいと思おもった。でも足あしは土つちの上うえにある。

その時とき、小ちいさい鳥とりが一ひとつ、木きの下したに来きた。

小ちいさい鳥とりは歩あるいていた。飛とばなかった。

犬いぬと鳥とりは同おなじ道みちを歩あるいた。

犬いぬは分わかった。空そらを飛とばなくても、同おなじ所ところに行いける。

二ふたつの動物どうぶつは、同おなじ風かぜを感かんじていた。

私の犬は毎日外を歩く。今日も道を歩いていた。空に白い雲があった。その雲の下で、鳥が飛んでいた。犬は上を見て、動かなくなった。犬は飛びたいと思った。でも足は地面の上にある。その時、小さい鳥が一羽、木の下に降りてきた。小さい鳥は歩いていた。飛ばなかった。犬と鳥は同じ道を歩いた。犬は分かった。空を飛ばなくても、同じ場所に行ける。二匹の動物は、同じ風を感じていた。

子供こどもの「なぜ」 (子供の「なぜ」)

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子供こどもはいつも「なぜ?」と聞きいた。

「なぜ空そらは青あおいの?」と父ちちに聞きいた。

父ちちは「光ひかりだよ」と言いった。

「なぜ光ひかりは青あおくなるの?」と子供こどもは言いった。

父ちちは考かんがえた。「空そらだよ」と言いった。

「なぜ空そらはそこにあるの?」

父ちちは口くちを閉しめた。

「なぜ私わたしは生いきているの?」と子供こどもは言いった。

父ちちは子供こどもを見みた。

夜よるになって、二ふたりは外そとに出でた。

空そらに多おおくの光ひかりがあった。

子供こどもは「きれい」と言いった。今いまは「なぜ」を言いわなかった。

父ちちはその事ことを感かんじて、笑わらった。

子供はいつも「なぜ?」と聞いた。「なぜ空は青いの?」と父に聞いた。父は「光だよ」と言った。「なぜ光は青くなるの?」と子供は言った。父は考えた。「空気だよ」と言った。「なぜ空気はそこにあるの?」父は口を閉じた。「なぜ私は生きているの?」と子供は言った。父は子供を見つめた。夜になって、二人は外に出た。空にたくさんの光があった。子供は「きれい」と言った。今度は「なぜ」とは言わなかった。父はそれを感じて、微笑んだ。

「おはよう」から「おやすみ」まで

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七しち時じ。日にちが始はじまる。

「おはよう」と母ははに言いう。母ははも「おはよう」と言いう。

食たべる前まえに「いただきます」。

食たべた後あとに「ごちそうさま」。

八はち時じに家いえから出でる。

道みちで、家いえが近ちかい人ひとに会あう。

「こんにちは。良よい日にちですね。」

「こんにちは。今日きょうは明あかるいですね。」

私わたしは教おしえる所ところに行いく。

新あたらしい言葉ことばを知しる事ことは楽たのしい。

夜よる、空そらが黒くろくなる。

「こんばんは」と月つきに言いう。

月つきは何なにも言いわない。でも明あかるい。

九く時じに寝ねる。「おやすみ」と言いう。

言葉ことばで日にちが始はじまって、言葉ことばで日にちが終おわる。

七時。一日が始まる。「おはよう」と母に言う。母も「おはよう」と言う。食べる前に「いただきます」。食べた後に「ごちそうさま」。八時に家を出る。道で近所の人に会う。「こんにちは。いい日ですね。」「こんにちは。今日は明るいですね。」私は学校に行く。新しい言葉を学ぶのは楽しい。夜、空が暗くなる。「こんばんは」と月に言う。月は何も言わない。でも明るく光っている。九時に寝る。「おやすみ」と言う。言葉で一日が始まり、言葉で一日が終わる。

遠とおい所ところの魚さかな (遠い所の魚)

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私わたしは腹はらに食たべ物ものがなかった。

外そとに出でて、食たべ物ものを買かいに行いった。

「すみません。魚さかなはありますか。」と聞きいた。

男おとこの人ひとは言いった。「はい、あります。この魚さかなは遠とおい海うみから来きました。とても良よい魚さかなです。」

「肉にくもありますか。」

「はい。肉にくと卵たまごもあります。」

私わたしは魚さかなと卵たまごを選えらんだ。

「全部ぜんぶでいくらですか。」

「三さん百びゃく円えんです。」

少すこし高たかいと思おもった。でも遠とおい所ところの魚さかなだから。

お金かねを与あたえて、家いえに来きた。

魚さかなと卵たまごで食たべ物ものを作つくった。

腹はらに食たべ物ものが入はいって、体からだが温あたたかくなった。

たぶん後あとの日にちも、あの魚さかなを買かいに行いく。

私はお腹に食べ物がなかった。外に出て、食べ物を買いに行った。「すみません。魚はありますか。」と聞いた。男の人は言った。「はい、あります。この魚は遠い海から来ました。とても良い魚です。」「肉もありますか。」「はい。肉と卵もあります。」私は魚と卵を選んだ。「全部でいくらですか。」「三百円です。」少し高いと思った。でも遠い所の魚だから。お金を渡して、家に帰った。魚と卵で料理を作った。お腹に食べ物が入って、体が温かくなった。たぶん明日も、あの魚を買いに行く。

母ははがくれた本ほん (母がくれた本)

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子供こどもの時とき、母ははが本ほんをくれた。

小ちいさくて、赤あかい本ほんだった。

「この本ほんは、私わたしの母ははからもらった物ものだ。今いま、あなたにあげる」と母ははは言いった。

私わたしは毎まい夜よる、その本ほんを読よんだ。

分わからない言葉ことばがあったら、母ははに聞きいた。

母はははいつも教おしえてくれた。

年としが多おおく変かわった。

私わたしは大おおきくなった。母ははの髪かみは白しろくなった。

今いま、私わたしに子供こどもがいる。

夜よる、子供こどもが言いう。「その赤あかい本ほんを読よんでください。」

私わたしは笑わらって、読よんであげる。

この本ほんは物ものだけじゃない。母ははの心こころだ。

たぶん後あとで、私わたしの子供こどもも、この本ほんを子供こどもにあげる。

子供の時、母が本をくれた。小さくて、赤い本だった。「この本は、私が母からもらった物よ。今、あなたにあげる」と母は言った。私は毎晩、その本を読んだ。分からない言葉があったら、母に聞いた。母はいつも教えてくれた。何年も経った。私は大きくなった。母の髪は白くなった。今、私には子供がいる。夜、子供が言う。「その赤い本を読んで。」私は笑って、読んであげる。この本はただの物じゃない。母の心だ。たぶんいつか、私の子供も、この本を自分の子供にあげるだろう。

大おおきい木き (大きな木)

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山やまの中なかに一ひとつの大おおきい木きがあった。

その木きはとても長ながい時ときを生いきていた。

木きは多おおくの雨あめを知しっていた。多おおくの風かぜを感かんじていた。

子供こどもたちが来きて、木きの上うえで楽たのしんだ。その子供こどもたちは大おおきくなって、出でて行いった。

戦たたかいがあった。人ひとたちは木きの近ちかくで泣ないた。

木きは動うごかなかった。立たっているだけだった。

動物どうぶつたちが木きの中なかに入はいって、寝ねた。

草くさが毎まい年とし木きの近ちかくに出でてきた。そして終おわった。

でも木きはまだある。

ある日にちの夜よる、一ひとりの女おんなが来きた。

女おんなは木きに手てを持もって、何なにも言いわなかった。

木きも何なにも言いわなかった。でも二ふたつの心こころは一ひとつになった。

山の中に一本の大きな木があった。その木はとても長い時を生きてきた。木は多くの雨を知っていた。多くの風を感じてきた。子供たちがやって来て、木の上で遊んだ。その子供たちは大きくなって、去っていった。戦いがあった。人々は木のそばで泣いた。木は動かなかった。ただ立っていた。動物たちが木の中に入って、眠った。花が毎年木のそばに咲いた。そして散った。でも木はまだここにある。ある夜、一人の女がやって来た。女は木に手を当てて、何も言わなかった。木も何も言わなかった。でも二つの心は一つになった。

頭あたまが痛いたい日にち (頭が痛い日)

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今日きょう、頭あたまがとても痛いたかった。

体からだも重おもかった。

母ははが「大丈夫だいじょうぶ?」と聞きいた。

「大丈夫だいじょうぶじゃない。頭あたまが痛いたい。」

母ははと、体からだを助たすける所ところに行いった。

体からだを助たすける人ひとが聞きいた。「どこが痛いたいですか。」

「ここです。頭あたまです。寝ねる事ことができないんです。」

「分わかりました。大丈夫だいじょうぶですよ。この体からだを良よくする物ものを飲のんでください。」

体からだを良よくする物ものをもらった。

家いえで水みずと飲のんで、寝ねた。

後あとの日にち、頭あたまは痛いたくなかった。

体からだが良よくなったら、心こころも明あかるくなった。

「痛いたい」と言いえる事ことは、とても必要ひつような事ことだ。

今日、頭がとても痛かった。体も重かった。母が「大丈夫?」と聞いた。「大丈夫じゃない。頭が痛い。」母と病院に行った。お医者さんが聞いた。「どこが痛いですか。」「ここです。頭です。眠れないんです。」「分かりました。大丈夫ですよ。この薬を飲んでください。」薬をもらった。家で水と一緒に飲んで、寝た。次の日、頭は痛くなかった。体が良くなったら、心も明るくなった。「痛い」と言えることは、とても大切なことだ。

髪かみを切きる人ひと (髪を切る人)

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髪かみが長ながくなった。切きる時ときが来きた。

私わたしは歩あるいて、髪かみを切きる所ところに行いった。

中なかに入はいると、男おとこの人ひとが言いった。「どうしますか。」

「髪かみを切きってください。少すこしだけ。」

男おとこの人ひとは私わたしの髪かみを手てで持もって、見みた。

「髪かみがとても強つよいですね。」と男おとこの人ひとは話はなした。

「本当ほんとうですか。」

「はい。たぶん骨ほねも強つよいです。」

私わたしは笑わらった。「分わかりません。でも歯はは強つよいです。」

男おとこの人ひとも笑わらった。

「頭あたまの皮かわは良よいですか。」

「いいえ、少すこし赤あかいです。太陽たいようの光ひかりが強つよかったから。」

男おとこの人ひとはとても良よく切きった。

終おわった後あと、私わたしの髪かみは新あたらしくなった。

髪かみを切きる人ひとと話はなすのは楽たのしかった。

髪が長くなった。切る時が来た。私は歩いて、髪を切る所に行った。中に入ると、男の人が言った。「どうしますか。」「髪を切ってください。少しだけ。」男の人は私の髪を手で持って、見た。「髪がとても強いですね。」と男の人は話した。「本当ですか。」「はい。たぶん骨も強いでしょう。」私は笑った。「分かりません。でも歯は強いです。」男の人も笑った。「頭の肌は大丈夫ですか。」「いいえ、少し赤いです。日差しが強かったので。」男の人はとても上手に切った。終わった後、髪が新しくなった。髪を切る人と話すのは楽しかった。

海うみの近ちかくの家いえ (海の近くの家)

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私わたしの家いえは海うみの近ちかくにある。

毎まい日にち、海うみの音おとを聞きく。

日にちが始はじまる時とき、太陽たいようが海うみから出でる。

水みずの上うえに光ひかりの道みちができる。

父ちちは魚さかなを探さがす人ひとだ。

毎まい日にち、海うみに出でる。

海うみが悪わるい日にちは、家いえにいる。

「海うみは良よい母ははだ。でも怒おこったら、怖こわい」と父ちちは言いう。

夜よる、海うみは黒くろくなる。

でも海うみの音おとは同おなじだ。

その音おとを聞きいて、寝ねる。

海うみの近ちかくの家いえは、私わたしの一いち番ばん好すきな所ところだ。

私の家は海の近くにある。毎日、海の音を聞く。日が昇る時、太陽が海から出てくる。水の上に光の道ができる。父は漁師だ。毎日、海に出る。海が荒れる日は、家にいる。「海はいい母だ。でも怒ったら、怖い」と父は言う。夜、海は黒くなる。でも海の音は変わらない。その音を聞きながら、眠る。海の近くの家は、私の一番好きな場所だ。

山やま (山)

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私わたしは一ひとりで山やまに行いった。

道みちは長ながくて、石いしが多おおかった。

足あしが重おもくなった。でも止とめなかった。

上うえに行いくと、風かぜが強つよくなった。

空そらはとても明あかるくて、太陽たいようの光ひかりが全部ぜんぶの物ものに入はいっていた。

私わたしは座すわって、下したの海うみを見みた。

家いえのことを思おもった。母ははのことを思おもった。

前まえの年としに悪わるいことが多おおくあった。

でも今いま、山やまの上うえで、その事ことは小ちいさくなった。

風かぜが来きて、私わたしの体からだに入はいった。

私わたしは目めを閉しめた。

心こころの中なかで、何なにかが変かわった。

私は一人で山に行った。道は長く、石が多かった。足が重くなった。でも止まらなかった。上に行くと、風が強くなった。空はとても明るくて、太陽の光がすべてのものに降り注いでいた。私は座って、眼下の海を眺めた。家のことを思った。母のことを思った。去年は辛いことが多かった。でも今、山の上では、そのことが小さく感じられた。風が吹いて、私の体を通り抜けていった。私は目を閉じた。心の中で、何かが変わった。

二ふたつの国くに (二つの国)

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ある国くにの人ひとは海うみの近ちかくにいた。

もう一ひとつの国くにの人ひとは山やまの中なかにいた。

海うみの国くにの人ひとは水みずを知しっていた。山やまの国くにの人ひとは土つちと木きを知しっていた。

ある日にち、一ひとりの男おとこが山やまから出でて、海うみまで行いった。

海うみで女おんなが水みずの近ちかくに座すわっていた。

男おとこは海うみを見みた。怖こわかった。

女おんなは男おとこの目めを見みて、笑わらった。

「怖こわくないよ」と女おんなは言いった。「入はいってみて。」

男おとこは少すこし入はいった。水みずはとても寒さむかった。

二ふたりの言葉ことばは違ちがった。でも笑わらいは同おなじだった。

夜よる、二ふたりは火ひの近ちかくに座すわって、食たべ物ものを食たべた。

月つきが空そらに出でていた。二ふたつの国くにから見みても、一ひとつの月つきだ。

ある国の人々は海の近くに暮らしていた。もう一つの国の人々は山の中に暮らしていた。海の国の人々は水をよく知っていた。山の国の人々は土と木をよく知っていた。ある日、一人の男が山を出て、海まで歩いていった。海辺では一人の女が水のそばに座っていた。男は海を見た。怖かった。女は男の目を見て、笑った。「怖くないですよ」と女は言った。「入ってみてください。」男は少し入った。水はとても冷たかった。二人の言葉は違っていた。でも笑いは同じだった。夜、二人は火のそばに座って、一緒に食事をした。月が空に出ていた。二つの国から見ても、月は一つだった。

お金かねがなかった時とき (お金がなかった時)

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前まえの年とし、私わたしにはお金かねがなかった。

する事ことがなくなったからだ。

家いえには一万いちまん円えんだけあった。

毎まい日にち、考かんがえた。「何なにを買かう?何なにを買かわない?」

食たべ物ものは必要ひつようだ。千せん円えんで、五ご日にちの食たべ物ものを買かった。

新あたらしい服ふくは必要ひつようじゃない。買かわなかった。

お金かねが少すこしになったら、怖こわくなった。

でも、家いえが近ちかい人ひとが助たすけてくれた。

「食たべ物ものをあげる。もらってください」と言いってくれた。

私わたしは泣ないた。

「ありがとう。お金かねができたら、私わたしも人ひとを助たすける」と言いった。

毎まい日にち、新あたらしいする事ことを探さがした。

三みっつの月つきの後あと、新あたらしいする事ことができた。

今いま、お金かねはもう少すこしある。

お金かねがなかった時ときは悪わるかった。

でも、必要ひつような物ものと必要ひつようじゃない物ものが分わかった。

人ひとの心こころが良よい事ことも分わかった。

去年、私にはお金がなかった。仕事がなくなったからだ。家には一万円だけあった。毎日、考えた。「何を買う?何を買わない?」食べ物は必要だ。千円で、五日分の食べ物を買った。新しい服は必要じゃない。買わなかった。お金が少なくなったら、怖くなった。でも、近所の人が助けてくれた。「食べ物をあげる。もらってください」と言ってくれた。私は泣いた。「ありがとう。お金ができたら、私も人を助けます」と言った。毎日、新しい仕事を探した。三ヶ月後、新しい仕事が見つかった。今、お金はもう少しある。お金がなかった時はつらかった。でも、必要な物と必要じゃない物が分かった。人の心の温かさも分かった。

言葉ことばをくれた人ひと (言葉をくれた人)

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私わたしは遠とおい国くにから来きた。

この国くにの言葉ことばが分わからなかった。

買かう所ところで話はなせなかった。道みちも聞きけなかった。

毎まい日にち、家いえの中なかに一ひとりでいた。

心こころが小ちいさくなった。

ある日にち、家いえの近ちかくの女おんなの人ひとが「こんにちは」と言いってくれた。

私わたしは小ちいさい言葉ことばで「こんにちは」と言いった。

その人ひとは毎まい日にち、新あたらしい言葉ことばを教おしえてくれた。

「水みず」。「道みち」。「ありがとう」。

一ひとつの言葉ことばは小ちいさい。

でも言葉ことばが多おおくなったら、私わたしの中なかの怖こわい事ことは小ちいさくなった。

今いま、私わたしは買かう所ところで話はなせる。「これはいくらですか」と聞きける。

体からだが痛いたい時とき、「ここが痛いたい」と言いえる。

言葉ことばは道みちだ。人ひとから人ひとへの道みちだ。

あの人ひとは私わたしに言葉ことばをくれた。

言葉ことばと、新あたらしい生いき方かたを。

今いま、私わたしも、新あたらしく来きた人ひとに言葉ことばを教おしえてあげる。

私は遠い国から来た。この国の言葉が分からなかった。店で話せなかった。道も聞けなかった。毎日、家の中に一人でいた。心が小さくなった。ある日、近所の女の人が「こんにちは」と言ってくれた。私は片言で「こんにちは」と言った。その人は毎日、新しい言葉を教えてくれた。「水」。「道」。「ありがとう」。一つの言葉は小さい。でも言葉が増えたら、私の中の怖さは小さくなった。今、私は店で話せる。「これはいくらですか」と聞ける。体が痛い時、「ここが痛い」と言える。言葉は道だ。人から人への道だ。あの人は私に言葉をくれた。言葉と、新しい生き方を。今、私も、新しく来た人に言葉を教えてあげている。

小ちいさい火ひ (小さい火)

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寒さむい国くにの小ちいさい所ところに、人ひとが生いきていた。

とても寒さむい時ときが来きた。

風かぜは強つよく、夜よるは長ながかった。

一ひとつの家いえに、小ちいさい火ひがあった。

他ほかの家いえの火ひは、もう死しんでいた。

火ひがある家いえの女おんなの人ひとは考かんがえた。

「この火ひを私わたしだけで持もつ事こともできる。でも、それは良よい事こと?」

女おんなの人ひとは外そとに出でた。

火ひを少すこし、近ちかくの家いえにあげた。

その家いえの人ひとも、火ひを他ほかの家いえにあげた。

火ひから火ひへ。家いえから家いえへ。

夜よるの終おわりに、全部ぜんぶの家いえに火ひがあった。

小ちいさい所ところの全部ぜんぶが温あたたかくなった。

火ひは、あげても小ちいさくならない。

これは火ひだけの話はなしじゃない。

良よい事ことも、言葉ことばも、心こころも同おなじだ。

あげたら、もっと大おおきくなる。

寒い国の小さな村に、人々が暮らしていた。とても寒い季節が来た。風は強く、夜は長かった。一つの家に、小さな火があった。他の家の火は、もう消えていた。火のある家の女の人は考えた。「この火を自分だけのものにすることもできる。でも、それはいいことだろうか?」女の人は外に出た。火を少し、隣の家に分けてあげた。その家の人も、火を他の家に分けた。火から火へ。家から家へ。夜の終わりには、すべての家に火があった。小さな村全体が温かくなった。火は、あげても小さくならない。これは火だけの話ではない。いいことも、言葉も、心も同じだ。あげたら、もっと大きくなる。

少すこしの言こと葉ば (俳句)

外そとの物もの (自然)

山やまの上うえ
風かぜが来きている
空そら青あおい

山やまの上うえ / 風かぜが来きている / 空そら青あおい

雨あめの音おと
外そとに聞きこえる
夜よるの道みち

雨あめの音おと / 外そとに聞きこえる / 夜よるの道みち

海うみの水みず
大おおきく動うごく
白しろい石いし

海うみの水みず / 大おおきく動うごく / 白しろい石いし

白しろい月つき
水みずの上うえ出でる
夜よるの海うみ

白しろい月つき / 水みずの上うえ出でる / 夜よるの海うみ

雲くもが来くる
鳥とりが飛とんでる
雨あめの前まえ

雲くもが来くる / 鳥とりが飛とんでる / 雨あめの前まえ

魚さかな行いく
水みずで光ひかって
海うみの音おと

魚さかな行いく / 水みずで光ひかって / 海うみの音おと

毎まい日にち (日常)

水みずを飲のむ
太陽たいようが出でて
外そとを見みる

水みずを飲のむ / 太陽たいようが出でて / 外そとを見みる

食たべ物ものを
子供こどもと食たべる
家いえの中なか

食たべ物ものを / 子供こどもと食たべる / 家いえの中なか

道みちを行いく
大おおきい木き見みる
風かぜの音おと

道みちを行いく / 大おおきい木き見みる / 風かぜの音おと

夜よるが来くる
月つきを見みている
目めを閉しめる

夜よるが来くる / 月つきを見みている / 目めを閉しめる

犬いぬ歩あるく
同おなじ道みち行いく
風かぜ違ちがう

犬いぬ歩あるく / 同おなじ道みち行いく / 風かぜ違ちがう

腹はらが言いう
魚さかな食たべたい
海うみ遠とおい

腹はらが言いう / 魚さかな食たべたい / 海うみ遠とおい

心こころ (心)

人ひとを待まつ
心こころの中なかに
いつもいる

人ひとを待まつ / 心こころの中なかに / いつもいる

楽たのしくて
子供こどもが笑わらう
音おとを聞きく

楽たのしくて / 子供こどもが笑わらう / 音おとを聞きく

泣なく子供こども
母ははが手てを持もつ
光ひかり見みる

泣なく子供こども / 母ははが手てを持もつ / 光ひかり見みる

人ひとに会あう
言葉ことばを少すこし
笑わらう人ひと

人ひとに会あう / 言葉ことばを少すこし / 笑わらう人ひと

分わかりたい
心こころで分わかる
たぶんそう

分わかりたい / 心こころで分わかる / たぶんそう

話はなしたい
言葉ことばない時とき
目めが話はなす

話はなしたい / 言葉ことばない時とき / 目めが話はなす

時ときの変かわり (季節)

草くさ開ひらく
山やまの風かぜ来くる
草くさ動うごく

草くさ開ひらく / 山やまの風かぜ来くる / 草くさ動うごく

空そら暑あつい
水みずを飲のむ人ひと
日にち終おわる

空そら暑あつい / 水みずを飲のむ人ひと / 日にち終おわる

木きが変かわる
赤あかくなる山やま
風かぜ寒さむい

木きが変かわる / 赤あかくなる山やま / 風かぜ寒さむい

寒さむい夜よる
火ひに近ちかい人ひと
音おともない

寒さむい夜よる / 火ひに近ちかい人ひと / 音おともない

人ひとと人ひと (人の間)

誰だれか来くる
知しらない名前なまえ
笑わらう人ひと

誰だれか来くる / 知しらない名前なまえ / 笑わらう人ひと

また会あおう
と言いった後あとに
道みち長ながい

また会あおう / と言いった後あとに / 道みち長ながい

あなた待まつ
来こないと知しって
まだここに

あなた待まつ / 来こないと知しって / まだここに

手て与あたえる
もらう人ひとの目め
光ひかり見みた

手て与あたえる / もらう人ひとの目め / 光ひかり見みた

いいえ言いう
心こころ悲かなしい
それでいい

いいえ言いう / 心こころ悲かなしい / それでいい

生いきると死しぬ (生と死)

始はじまりの
少すこしの体からだ
泣ないている

始はじまりの / 少すこしの体からだ / 泣ないている

生いきること
食たべて動うごいて
来くる日にちへ

生いきること / 食たべて動うごいて / 来くる日にちへ

人ひとは死しぬ
土つちの中なか入いる
草くさ生いきる

人ひとは死しぬ / 土つちの中なか入いる / 草くさ生いきる

終おわる夜よる
光ひかり始はじまる
空そらはある

終おわる夜よる / 光ひかり始はじまる / 空そらはある

白しろい髪かみ
百ひゃく年ねん生いきて
骨ほね強つよい

白しろい髪かみ / 百ひゃく年ねん生いきて / 骨ほね強つよい

光ひかりと光ひかりがない (光と闇)

月つきの夜よる
火ひが一ひとつある
誰だれかいる

月つきの夜よる / 火ひが一ひとつある / 誰だれかいる

光ひかり来くる
怖こわいの終おわる
目めを開ひらく

光ひかり来くる / 怖こわいの終おわる / 目めを開ひらく

火ひを止とめて
光ひかりなくなる
体からだだけ

火ひを止とめて / 光ひかりなくなる / 体からだだけ

夜よるの空そら
月つき白しろく出でる
道みち白しろい

夜よるの空そら / 月つき白しろく出でる / 道みち白しろい

言こと葉ば (言葉)

言葉ことばない
心こころが動うごく
人ひとと人ひと

言葉ことばない / 心こころが動うごく / 人ひとと人ひと

書かく言葉ことば
誰だれも読よまない
まだそこに

書かく言葉ことば / 誰だれも読よまない / まだそこに

聞きく言葉ことば
知しらない言葉ことば
道みち開ひらく

聞きく言葉ことば / 知しらない言葉ことば / 道みち開ひらく

言いわないで
手てを持もっている
それでいい

言いわないで / 手てを持もっている / それでいい

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